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TAP/とよたアートプログラム

【インタビュー・アート】とよたとアーティストたちインタビューその2「安藤卓児」「山岸大祐」2019.10特集

とよた市民アートプロジェクト「Recasting Club」のメンバーであり、豊田市小原地区に住みながらマルチな活躍をする安藤卓児さん。
同じく「Recasting Club」のメンバーで、さらに「とよたデカスプロジェクト2019」で大賞を受賞した「アートデイズとよた」を企画した陶芸家の山岸大祐さん。
そんなお二人に豊田市での活動についての「これまで」と「これから」をお話いただきました。

 

 安藤卓児
TAP 今回「としのこえ、とちのうた。」に参加されていかがですか
-これまで、Recasting clubでの活動ではインスタレーションや、参加型の作品を作ってきましたが、本当はペインターなんです。今回のキュレーションのために中崎さんが僕のアトリエに来てくれて、色々な種類の絵がある中で、第三者的視点で掘り下げてくれました。それによって僕自身も自分のことを振り返りながら、今までの歩みを客観的に見る事ができました。
この中だと、2008年の作品が一番古いです。この作品は豊田市美術館で売っていた同館所蔵のクリムト作品のポスターを買ってきて、ステッカーを貼ったり、上からペイントなどを施して完成しました。随分過去の作品なので正直出展するつもりは全くなかったのですが、いま豊田市美術館クリムト展が開催していて、中崎さんが出そうと言ってくれた事で出展する事になりました。
僕の制作の姿勢は、ストリートカルチャーの影響を受けています。例えばこの作品では、クリムトという権威を安易に賛美してそのまま受け入れるのではなく、その偉大さを認めながらも挑戦し、新しく塗り替えていこうとする姿勢、哲学は今でも大切に持ち続けていて、改めて見ると、自分のマインドがよく表れている作品かなと思います。
抽象絵画もいろんな作品と並行して制作していますし、キャラクターを中心に描いていたり。あとはニューヨーク帰りの時に制作した作品はその時の刺激が現れていたりとか。結構赤裸々にいろんな時代の作品を公開しています。

TAP 年代もテーマもかなりバラエティがありますね!
-スタイルが絶えず変化する、という自覚はあります。決まり事を大事にして制作をしていくよりも、その時の瞬間的な思いや純粋な衝動を大事にするようにしています。構想や実験には日々時間を費やしていますが、絵も音楽も最終的には、ほぼ即興的に制作します。

TAP 豊田市での活動することに対しての思いや、これからの展望について教えてください。
-やはり豊田市は自分の生まれ育った街なので愛着があります。もっとも若い頃は不満ばかりに目がいってましたが、外に出てみて沢山の良い点にも目がいくようになり、様々な活動を通して実際に自分や家族が住む街としての豊田市を自分達の手で良くしていけるという実感が現在はあります。発展途上の新しい街だからこそ可能性に溢れており、他の大都市とは違った方向へと進化していける事に可能性を感じており、市民発信でアートのある街づくりを実現していけたらと思っています。
これからの展望は、国際的なアーティストとしての活動を海外でもより活発化させながらも、今半分住んでいる豊田市小原地区の自然と共存できるくらしを学びや実践を発展させていき、いずれは両者を交差させる試みにチャレンジしていきたいと思っています。田舎から世界へ。世界から田舎へ。といったイメージでしょうか。

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山岸大祐

TAP リキャスティングクラブ参加へのきっかけは?
-最初のきっかけは知人がリキャスティングクラブという活動が始まるんだよと教えてくれた事です。それでリキャスティングクラブには最初の説明会から参加していました。
リキャスティングクラブの第1回目のイベント(On Stage ! On High School)では旧東高の武道館で色々な屋台が並ぶ中、小皿作りの体験ワークショップをやりました。具体的なメンバー活動としての始まりはそこで、出来る時はなるべく参加してます。

TAP 今年はデカスでの活動もされていますね!
-以前はデカスに応募するというビジョンは持っていたわけではないです。ただ、学芸員資格をとっていたりで、将来キュレーションをしたいという思いは学生の時から持っていました。

TAP 豊田市での活動に対しての思いを教えてください。
-アートデイズには豊田市出身のアーティストが出展しています。豊田市民の方には、作家が豊田市出身という事をひとつの鑑賞のきっかけにして、そこからアートに興味を持っていただけると嬉しいです。アートがもっと気軽になる状況が豊田市全体に根付いていったら嬉しいですね。
また、若者が豊田でも何か出来るんじゃないかと思える様に活動していきたいです。
芸術に積極的に関わる豊田市の若者は活動の場を求めて、他の地域を目指していると感じています。実際に僕も今まで全国展や海外での発表に目を向けて制作して来ました。
僕は白水ロコさんがデカスで採択されたオープンスタジオ企画への参加依頼がK-TENの先輩経由できて、それに参加したことで市役所のルミアールプロジェクトに参加して、そこら辺がきっかけで市内の活動に関わろうと思うようになって、リキャスが始まり参加しました。

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