TAP topics

TAP/とよたアートプログラム

【インタビュー・演劇】あいちトリエンナーレ2019 パフォーミングアーツ 豊田公演「幸福はだれにくる」劇団うりんこ+三浦 基+クワクボリョウタ インタビュー2019.9特集

「うき目つらい目ふしあわせ」という疫病神に取り憑かれているせいで、ずっと貧乏暮らしをしている木こりと姪のナースチャ。

木こりは口減らしのために姪を金持ちの老人に嫁がせようとするが、彼女には若くて誠実な恋人の兵士がいた。 疫病神をおまけとして売り飛ばせば自分から離れることを知った木こりは、他人になすりつけることに成功する。

やがて疫病神は木こりから商人、貴族、果ては王様へと取り憑いていき王国が存亡の危機に…。そこに誠実な兵士が現れ…。

 

ロシアの児童文学作家サムイル・マルシャークの喜劇をベースに、地点の三浦基とメディアアーティストのクワクボリョウタを迎え、東海地方では知らない人がいない児童向け劇団うりんことタッグを組んだ今回の豊田公演。

混沌とする時代に「幸せは誰にくるべき?」「幸せって何?」を直球で投げつけます!

豊田公演は9月21日(土)と22日(日)

 (別途 パフォーミングアーツチケットが必要です。詳しくは

劇団うりんこ+三浦基+クワクボリョウタ『幸福はだれにくる』(A63) | あいちトリエンナーレ2019

をご確認ください。)

  三者にお話を伺いました。

 

劇団うりんこ/平松隆之(制作)

作品が豊田市で上演されることについてどうお感じになりましたか?

​-してやったり、と言う感じです。

企画が進む中でキュレーターの相馬さんが何度も豊田に足を運んで学校や地域をリサーチしていることを知りました。ただ他のアーティストは地の利もないし豊田公演は難しいだろうなと思っていました。なので自身の土地勘やこれまでの伝手を頼ってあちこち会場を探しました。

 実は1年ほど豊田に住んでいたこともあります。

フタを開けてみれば豊田で上演されるパフォーミングアーツはこの演目のみだったので、面目は果たしたなと思っています(笑)

作品を作るときに欠かせないものはなんですか?

-尊敬できる仲間、でしょうか。

制作という仕事をしていますが、画も書けないし、台詞も覚えられないし、本も書けないし、作曲も出来ないし、何にも出来ることがないんです。でも、面白い芝居を作りたい。

なので、これは!と思う人には会いに行ってお願いすることにしています。

子供の頃はどんな子でしたか?

-極めて平均的な子供でした。通知表もほぼオール3でしたし。

クラスメイトの男子の顔は大抵覚えてるんだけど女子は今、半分も思い出せません。と言うことは僕も周りから見ればそんな存在だったと思います。あ、ファミコンが家になかったのでよく友達の家を渡り歩きました(笑)

今回、共同制作された感想と、現場で「これは化学反応が起こったな」と感じた瞬間がありましたら教えてください。

-まさにクワクボリョウタさんとの出会いです。実は企画を提案したときから骨子はうりんこの中でほぼ固まっていました。そんな中、相馬さんが紹介してくれたのがクワクボさんでした。クワクボさんはいわゆるメディアアート、デジタルアート系の人だと思うのですが、その表現が非常にアナログ、でもめっちゃ計算高い方でした。

例えば、整備された庭園を見て美しいと思うのは、実はそう思うように設計されてるからなんです。でも鑑賞者はそうは思わない。

「俺の美意識高いな」と思うわけです(笑)

クワクボさんはどこの家庭にもあるような雑貨を使って、あっと驚く表現を舞台に持ち込んでくれました。実は今回のお芝居はど真ん中に舞台がありそれを囲むように客席があります。

土俵やプロレスのリングを思ってください。

そしてさらに客席ごとぐるりと平面が取り囲む構造になっています。

最初YouTube(2D)で見たときは「なるほど、こういう感じね」と思いましたが、これが劇場空間(3D)になるとその没入感がスゴいんです。

これはヤバい!!と思いました。快感と言ってもイイ。

実は既に試演会を終えているのですが、(※インタビューは8月9日に行われました。)観ている子どもたちが「わ、なになに、すげー、これ」と感嘆を漏らしていたのが印象的でした。

何が起きているかは・・・ぜひ劇場で体感してください!!

  

クワクボリョウタ

9月に豊田市でも公演をされますが、その時舞台上のインスタレーションの配置は変わるんですか?

-基本的には同じものをやろうとしているんですけれども、おそらくまた空間が変わってくるので、実際には現場で微調整は必要になりますね。ただ、目指すところは今のところ同じものだと心得てます。

でも、三浦さんがなんか言い出すかもしれない(笑)。

今回もやっぱり現場入ったら色々違っていて。調整して、道具などを作り直したりしました。

化学反応的に楽しむ要素もあるという?

-そうですね。僕は図面見てあんまり想像力が働かないんです。

実際に現場見て黒みと白み感覚とか全然違ったりするので。大体いつも現物を見ながらの調整です。

今日(※取材は8月18日に行われました。)も、ちょっとヒヤヒヤしたんですけど役者さんの動きで(セットの都合上)今行くと危ないんじゃないのか?!みたいなこともあり、システム上怖いので、そういう所も見ながらちょっと色々変えるかもしれないです。

 

三浦 基

作品が豊田市で上演されることについてどうお感じになりましたか?

-愛知県では、これまで名古屋でしか上演したことがなかったので、大変に楽しみです。親子で楽しめる作品になっているので、家族大勢で見て盛り上がって欲しいです。みんなで感想を言い合ってもらいたいです。

作品を作るときに欠かせないものはなんですか?

-お客さんが暇したり飽きないようにといつも心がけています。 お客さんの笑いは、欠かせないものなので、みんなで笑ってもらえるように真面目におかしなことを考えてます。

子供の頃はどんなお子さんでしたか?

-食いしん坊でした。食べ過ぎだといつも怒られていました。甲子園をテレビで見るのが好きでした。でも野球選手になりたいとは思っていたわけではありませんでした。とにかくいつもなんか食べていました。

今回、共同制作された感想と、現場で「これは化学反応が起こったな」と感じた瞬間がありましたら教えてください。

-舞台では常に影が動いています。いろんなところに影に動いています。 光の玉が走っていて、とても幻想的なシーンを創ることができました。

 

作品解説・作家解説はこちらをご覧ください

劇団うりんこ+三浦基+クワクボリョウタ『幸福はだれにくる』(A63) | あいちトリエンナーレ2019

 

f:id:toyotaartprogram:20190925114949j:plain