TAP topics

TAP/とよたアートプログラム

【「この人」対談】「特別企画 あいちトリエンナーレ2019豊田会場オープニングイベントとよトリ祭橋の下盆踊りinTOYOTA BUDOKAN会場から」2019.8特集

TAPポータルサイトでは、毎月1つテーマを設定して「この人」対談、インタビュー、レポート、コラムなどを集中して掲載していきます。
2019年8月の特集テーマは「あいちトリエンナーレ/とよたのアート」。

 

特集のメインコンテンツは、TAPの先駆事業<TAG>からの継承企画、石黒秀和・清水雅人がとよたの文化芸術に関するキーマンと対談する「この人」です。
様々なお話を伺った模様を動画撮影、基本的にノーカットで公開します。
また、対談内容を要約した文字コンテンツもサイトにて掲載します。

今月の「この人」は特別企画として、8月1日に開幕したあいちトリエンナーレ2019豊田会場オープニングイベント会場より、特定のゲストではなくイベントに来場していた人々に声をかけて出演していただく形を取りました。太田豊田市長はじめ会場に来ていた地元のキーマンに色々なお話が聞けました。

文字コンテンツでは掲載しきれないお話もたくさんしています、どうぞ動画もご覧ください!

特別企画 あいちトリエンナーレ2019豊田会場オープニングイベントとよトリ祭橋の下盆踊りinTOYOTA BUDOKAN会場から 2019.8特集

youtu.be

※動画はYouTubeにて公開されています。無料で視聴いただけます。

 

対談の要約文字コンテンツ(文責:清水雅人)

1時間弱の映像を見る時間を割くのが難しい方のために、「この人」対談の文字起こし(要約版)をお送りします。
今月は特別企画として、8月1日に開幕したあいちトリエンナーレ2019豊田会場オープニングイベント会場より、特定のゲストではなくイベントに来場していた人々に声をかけて出演していただく形を取りました。当初はトリエンナーレ参加の作家等にも出演いただこうと思っていましたが、みなさんまだ作品制作の途中の方も多くレセプションが終わるとすぐ帰られたりしてお話しは聞けず、、、でも、代わりに会場に来ていた地元のキーマンに色々なお話が聞けました。
まずは、突然お声掛けしたにも関わらず気軽に出演いただいた太田豊田市長から。

 

ゲスト1人目 豊田市長太田稔彦さん
清水「今日は会場に来ている人をつかまえてお話を聞くスタイルでやろうと思っているんですが、一番最初に捕まえた人がこの人でした、太田豊田市長です。一応真面目なこと聴いておきましょう、あいちトリエンナーレの豊田開催の意義、期待するものはなんでしょうか?」
太田「私たちの暮らしというのは、どうしても便利、快適を求めるでしょう?確かに便利で快適な暮らしというのはとてもいいことなんだけど、一方で自分の感性といったものをどんどん退化させているようにも感じるんです。その意味で、とりわけ豊田会場の市民参加型のトリエンナーレは、最初からスケジュールが決められているわけでも、ストーリーが決められているわけでもない、自分たちで作り上げていくプロセスが極めて不便で不快的で、でもそれを乗り越えたところにある本当の満足感が関わった市民に多分あるだろうと、それを期待します。今回トリエンナーレを豊田でもやることになった一番の意義、効果はそこだと思っています。」
石黒「不便という意味では、ここは電気もないガスも水道もない場所で始めてここまでのイベントが開かれてますから」
太田「ものすごく暑くてね(笑)」
清水「さらに、これが行政がからんでいるっていのが外から来た人は驚きのようで」
太田「でも、これは行政のかかわりはものすごく少ないでしょう?ほとんど市民のみなさんが作り上げている」
石黒「ただ我々市民側も自由にやる分責任もちゃんと負わないといけないとは思っていますけど」
太田「でもその責任論から入ってしまうと前に進めないので、信頼ですね、信頼の中で緩やかにスタートをきっていって進んでいければいいと」
石黒「確かに、トリエンナーレは今年ですけど、とよたアートプロジェクトは2017年から始めて、ここ旧豊田東高校使うのも2年前から始めていて、信頼関係が今年に向けて作られていると思います」
太田「そういう意味で言えば、2年と言わずもっと前から、お二人はじめ色んな人たちとの信頼関係が作られてきていた結果だと思いますよ、だから大丈夫なんです」

 

スト2人目 こいけやクリエイト、とよたプロモ部、とよたアートプロジェクト推進協議会委員 西村新さん 
清水「いかがですか、今日は」
西村「今日は、、、暑いですね(笑)滅茶苦茶暑いですね~」
石黒「外は夜になって少しは涼しいけど、武道館の中はまだ暑いですよ、そこでこれから踊ろうっていうんだから。でも、今年はおいでんおつりの総踊りが中止になっちゃったから、ここに踊りに来た!って人もいましたよ」
清水「豊田の人はおいでんがあって本格的な夏になる感じなので、それがないまま8月になっちゃったうっぷんがあるかもですね。西村さん何か告知あれば」
西村「8月17日に愛環新豊田駅前の新とよパークで、水鉄砲大会をやります」
石黒「相変わらず面白いこと仕掛けますね」
西村「あと、また今年度も3月にWE LOVE とよたフェスタやります」
清水「WE LOVE とよたフェスタはラグビーワールドカップに合わせて早めてやることはないんですか?」
西村「それは例年通りですが、ワールドカップに合わせてウェルカムとよたフェスタってのをとよたプロモ部でやりますよ。9月23日の豊田スタジアム第1戦の日と、10月12日第4戦の日に」
清水「ワールドカップ関連、色々規制が厳しいらしいですが」
西村「そうなんですよ~、ここでは言えないくらい厳しいんですよ、もうやってて心が折れそうになるくらいなんですが(笑)、奮い立たせて頑張ってます、そういう中でこそ市民力でレガシーを残していきたいですね」

https://www.facebook.com/toyotapromobu/
 

ゲスト3人目 矢作新報社長・編集長、矢作川水族館館長 新見克也さん
清水「今年の矢作川感謝祭にStar☆T出演させていただきます」
新見「そうそう、よろしくお願いします、私が扮するカッパとStar☆Tの対談もあるという(笑)。今年の矢作川感謝祭は、橋の下盆踊りと融合してやるんですよ、今年は橋の下世界音楽祭もトヨタロックフェスティバルもないということで、ぜひ盆踊りと一緒にやりたいと思って」
清水「よろしくお願いします」
新見「今日は取材2割、楽しみ8割で来てますが、、、私は芸術のかけらもない人間なので、トリエンナーレについても何を言っていいのかわからないんですが、、、こうやって中に入って楽しんでいればわかってくるのかなぁと思って楽しんでました(笑)。愛樹くんたちがやっている橋の下世界音楽祭がアートと言われるんだったら、それならわかるかなと」
石黒「本当に、そんなもんだと思います」
清水「またトリエンナーレの終盤、10月にもここでハイブリッドブンカサイというイベントがありますので」
新見「私、市民の手作りって本当に好きなんですよ。おいでんまつりの話をしていいですか?ずっとおいでんまつりの取材をしてきてますけど、おいでんまつりを市民のおまつりにして欲しいと思ってますが、まだまだどうしても行政主導のおまつりになってしまっているじゃないですか。去年前夜祭ってのがあって、チャンスだと思ったんですが今年はなくなって、さらに2年連続で台風で中止になってしまって、予備日というのも考えなくてはいけないと思うし、やれなかったことをどこかでやるという案も出てたりして、それがおいでんまつりが市民のおまつりになっていくきっかけになればいいなぁと思ってるんです」
石黒「おいでんまつりも本体から変えて行くのが難しいなら、市民で新しいおまつりを立ち上げて行かないといけないのかもしれませんね」
新見「昨年の前夜祭がまさに市民の側から提案してできた経緯があるので、それが続いていけば本物になるんでしょうね」

www.yahagishinpo.com

https://www.facebook.com/矢作川水族館-1736550703253353/

 

ゲスト4人目 豊田商工会議所、西町散歩 丹羽亮介さん
清水「近年のとよたまちなかのまちづくりはどうですか?」
丹羽「豊田市駅東側の再開発が終わって、きれいにはなったんですが、きれいになっただけで、ドキドキワクワクするようなまちになってるのかと。魅力的なまちって、裏通りがあって、ちょっと覗いてみると怪しい雰囲気もあったりして、そういうのを全部壊してきれいになっちゃっただけじゃないかと。

今西町散歩というのを始めていて、私がもともと西町に住んでて、下町なのでお互いの顔が見えてるので、多少粗相しても許してもらえるかなと思って(笑)、いろいろ自由にやってるんですが、近年まちなかで土日のイベントが本当に多くなってて、それはそれでいいことなんですが、でもその波及効果はあるのか?と地元の人たちに言われると、検証のしようもないのでなんとも答えようがないんですね。これまでだとそういうことは行政に、という話しになってしまうんですが、自分たちでも動こうと、小野デザインの小野さんなどと一緒に西町散歩というのを始めています。

各お店は分散してるので点と点になんですが、そこを回遊してもらうことで地元にもお金が落ちる、そういう仕組みができないかと。土地なんかも公共的な場所だけじゃなくて、例えば民地でも駐車場3台分あるけど実際は1台分しか使ってない土地を善意だけじゃなくてちゃんと借り賃を払ってそこでお店をやってもらうとか、そういう取り組みをやってます。

取り組みも1年になりますが、最近そういう小さなことをコツコツと続けていくことが大切だなぁと実感しています。続けていると周りも徐々に乗ってきてくれるし、そうすると自然と広まっていきますし」
石黒「持続可能っていう視点、特にイベントでは続けていくことの大切さはありますね」
丹羽「やっぱり、いろんなところでイベントがあっても、逆にイベント疲れってのも出ちゃってるなぁと」
石黒「まさに、今年トリエンナーレラグビーワールドカップがありますけど、それらが終わった後にも持続していくためには、そういう地道な継続しかないのかなと思います、そこで本当のまちの力、市民力が問われるんだと思います」
清水「今回のトリエンナーレのまちなか会場は駅西側に多いんですが、駅東より駅西の方がちょっと雑多なまちの感じがあって、その中に忽然と現代アートがあるのは面白いなと思います、駅東のKiTARAやコモスクエアの中にあるよりも」
丹羽「停車場線って歩道がとっても広くてきれいでしょ、あそこで何か始めようと思えるか、、、。例えばあの歩道に小屋みたいなものを建ててそこで何か売ってもいいとなればやる人もいるかなと」
清水「やっぱり面白いことって隠れながらやると言うか、ぱあーっと開けた場所だと真面目なことしなくちゃいけないかなってなりますもんね」
丹羽「ちょっと話がそれるんですけど、これは仕事の方なんですが駅下の喫煙所を管理してて、トイレの近くの古い喫煙所のクーラーが壊れてしまってすごい苦情が来るんです、で、交番の前に新しいきれいなガラス張りの喫煙所ができてるんで、そちらに行かれたらどうですかって言うと、あっちはタバコ吸う雰囲気じゃないんだと(笑)、やっぱりちょっと隠れた感じのちょっと汚い場所の方がタバコ吸った感じがすると(笑)、そう言われて、ある意味正論なのかなと」
石黒「やはり空間というのは大事ですね」
丹羽「最近は行政の間口の拡がったというか」
石黒「それは感じますか」
丹羽「感じますね、行政もいろんな空間をどんどん使っていこうという姿勢に変わってきたと思います」
石黒「10年15年前には絶ダメと言われてた空間が使えるようになってきてますからね」

https://www.facebook.com/nishimachi.sanpo/

 

よたデカスプロジェクト2019受賞者 SHIMAYAGI ARTさん、MOBIUMさん
SHIMAYAGI ART「豊田市美術館又日亭、豊田市民芸館井上西洋、豊田市民芸の森旧海老名三平亭の3ヶ所で豊田出身の美術作家を紹介するアートデイズとよた2019を10月に開催します。この企画でとよたデカスプロジェクトの大賞をいただきました」
石黒「トリエンナーレには負けないぞと」
SHIMAYAGI ART「トリエンナーレに負けてないと思ってくれる人が1人でもいてくれればうれしいですね(笑)」
清水「準備が大変な時ですね」
SHIMAYAGI ART「有償ボランティアさんを募集するためのチラシと作っているところですね」※募集詳細はサイトをご覧ください
MOBIUM「バスを改装したモビウムという移動型ミュージアムをやっているんですが、今回のプロジェクトは小原地区を、参加者と一緒にバスに乗って、そこにある資源を使った作品を作っているというプロジェクトをやろうと。小原は和紙が有名なので、小原和紙を中心に据えて。最終的には9月にここ旧東高校のグランドで展示をする予定です。前から小原地区にはよく行ってて、今年も4月以降何回か小原地区でワークショップを開催しています」
清水「トリエンナーレについては何か思うところありますか?」
SHIMAYAGI ART「私は豊田生まれ豊田育ちで、豊田で美術を学んできたんですが、何か発表するってなるとどうしても名古屋とか東京の方がいい場所があるってなるんです、でもやっぱり豊田で文化的なものが育っていったらいいなと。トリエンナーレは市外から作家さんも招いて、お客さんも市外から来てもらって、外からみた豊田を表現するってことだと思うんですが、私たちは豊田出身、豊田ゆかりの作家さんにこだわってて、その人の育った環境が作るものに影響を与えると思っているので、トリエンナーレとは逆に内側からみた豊田を表現したいと思ってます。なので、トリエンナーレで外から豊田を見た人が、今度は内から見た豊田も体感してもらえたらと思ってます」
清水「とよたアートプログラムのコンセプトそのものを言ってもらいました(笑)」
石黒「いい締めになりました(笑)」
decasu.jp

 

最後に トリエンナーレ豊田会場について
清水「今日(8/1)に駆け足でぐるっと豊田会場見て回ったんですが、美術館はすごい人でしたね、クリムト展の方ですが」
石黒「そこからトリエンナーレの展示や、ここ旧東高校会場、まちなか展示に方にも回ってもらうといいですね」
清水「いろんな作家さんが全国、海外からも来てますが、全体の印象としてまず思ったのは、戦争をテーマにしている作品が多いなと」
石黒「私は名古屋会場の作品を見てきましたが、そちらもそういう、反戦というと言葉が軽くなってしまいますが、そういう作品が多いなと思いました。やっぱりこの今の時代の不穏さを表しているのかなと」
清水「特に日本において、8月は戦争の記憶と結びついた月でもありますし、例えば喜楽亭での展示は映像なのであの日本家屋の雨戸などを締め切って暗闇にしているんですが、まさに75年前空襲警報におびえて暗闇の中にいた私たちの二世代三世代前の人たちの記憶が、私たちは実際に体験してないけど蘇ってくるというか。そういういろんなことを想起させる、そういうイマジネートさせる力がアートにはあるなあと。特に美術館の展示室ではなく空間ごとアートをする現代美術にはよりそういうものがあるなあと」
石黒「今回のトリエンナーレのテーマが“情”なんですが、そういう不穏さ、マイナスの情っていうのが今世界中にあふれていると思うんです、でもそういうものを克服していくのも“情”だと、そういう意味でも今回のテーマになっていると思うんですが、まさに今の時代を捉えた芸術祭になっているのかなと、津田監督のそういう想いも感じられますね」
清水「あいちトリエンナーレ、名古屋会場と豊田会場でやってまして、豊田は豊田市美術館とここ旧東高校、豊田市駅周辺での数か所で10月14日までやってますので、どうぞご来場ください。終盤10月には、ここ旧東高校で、トリエンナーレではありませんが、市民参加のアートイベントハイブリッドブンカサイⅡも開催されますので、こちらもぜひお越しください。ありがとうございました」
石黒「ありがとうございました」

ホストプロフィール:
石黒秀和(いしぐろひでかず)
脚本家・演出家。豊田市出身。高校卒業後、富良野塾にて倉本聰氏に師事。豊田に帰郷後、豊田市民創作劇場、豊田市民野外劇等の作・演出、とよた演劇アカデミー発起人(現アドバイザー)ほか、多数の事業・演劇作演出を手掛ける。TOCToyota Original Company)代表、とよた演劇協会会長、とよた市民アートプロジェクト推進協議会委員長。

ホーム - とよた演劇協会

清水雅人(しみずまさと)
映像作家・プロデュ―サ―。豊田市出身・在住。豊田市役所職員時代に市役所内に映画クラブを結成し、30歳の頃より映画製作を開始。映画製作団体M.I.F.設立、小坂本町一丁目映画祭主宰。2013年市役所を退職、独立し、映像制作、イベント企画、豊田ご当地アイドルStar☆T(スタート)プロデュースなどを手掛ける。豊田星プロ代表。映画「星めぐりの町」を実現する会会長、とよた市民アートプロジェクト推進協議会委員。

豊田ご当地アイドルStar☆Tオフィシャルサイト

f:id:toyotaartprogram:20190812092751j:plain