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TAP/とよたアートプログラム

【アート】あいちトリエンナーレ2019 豊田会場 アート・プレイグラウンドってなんだ!? 2019.8特集

「あいちトリエンナーレ2019」では来場者の鑑賞体験をより豊かにできるような環境づくりとして「アート・プレイグラウンド」を5会場にて展開します。

豊田では豊田市美術館ワークショップルームで【しらせる OUTREACH】をコンセプトに、 情報発信する場所をつくります。

ラジオや雑誌など様々な媒体を用い、自分の考えをどのように伝えていくかチャレンジしましょう!
※アート・プレイグラウンドのワークショップは午前10時30分から午後5時までです。美術館の開館時間と異なりますのでご注意ください。

 

―どんなことができるの?

会場にラジオブースができます!みんなで作品をみた感想や、テーマである「情の時代」に関する自分の思いを録音できます。もちろんスタッフがお手伝いしますので、気軽に参加できますよ!できあがったラジオは豊田の街中のお店や別会場、豊田会場の情報拠点であるTPACで放送予定です。
さらに、作品の感想や『情の時代』に関する自分の思いをマガジンとして製作したり、Tシャツやトートバッグ、直径5cmもある大きなくるみボタンに絵や文字入れができます。
Tシャツ、トートバッグ、くるみボタンはシルクスクリーンでその場で印刷したり、ミシンで刺繍したりして持って帰れます。
(材料代 有料)
また、豊田会場では国際交流協会と協力して多言語展開を企画しており、複数言語でいろんな思いを表現してもらいたいです。日本語・英語だけでなくポルトガル語やインドの少数民族しか使われていない言語を通して言葉による意思疎通の楽しさを体験してほしいな、と考えています。会場には多言語翻訳ガイドさんが来てくれる日があるので、その場で人を通して翻訳して言葉のおもしろさ、翻訳機では表現できない微妙なニュアンスを楽しんでほしいです。


―どこでやってるの?
場所は 豊田市美術館ワークショップルーム
午前 10 時30分から午後 5 時 までです。
無料で、どなたでも(「あいちトリエンナーレ2019」国際現代美術展チケットなしで!)利用できます!
※美術館の開館時間とは異なりますのでご注意ください

 

―お話を伺ったのは

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あいちトリエンナーレ2019アートプレイグラウンド コーディネーター 山口 伊生人さん

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あいちトリエンナーレ2019アートプレイグラウンド ファシリテーター 小瀧 美緒さん

【インタビュー・アート】「あいちトリエンナーレ2019」豊田会場作家インタビュー/紹介 2019.8特集

いよいよ8月1日から開幕した「あいちトリエンナーレ2019」豊田会場に作品展示をしている作家さんたちにお話しを伺いました。

各作家のプロフィール、作品概要等はこちら

あいちトリエンナーレ2019

 

高嶺 格 1968年鹿児島県生まれ 秋田県拠点 展示会場:豊田市美術館、旧東高校

takaminet.com

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―今回 豊田市で作るということ、また あいちトリエンナーレ2019キュレーターの皆様と作品を作ることについてのお考えをおしえてください。
 まずは能勢さんですけどね。今回僕が関わっているトリエンナーレの関係者は津田さんも含めてネアカな人ばっかりな気がします。今回の作品は建築物のようなものになるんですが、そもそもこのプランが出たのも、通ったのも、周囲のネアカさと関係あると思う。うちのチーム編成は建築系(土木系?)で、実現に向けみな非常に前向きです。市の職員の方もとてもサポーティブです。モノがシンプルで、皆が想像する作品の最終形態に誤差が少ないせいもあるかもしれません。(そういえば2010年に参加したときもネアカな人だらけだった気がしますが)
―今回作品が展示される場所が廃校のプールということですが、どのような視点でその場にされたのか教えてください。
 設置作業が7月で暑いだろうなあと。で、プールに設置すれば泳ぎながら作業できるぞ!と思ったのがきっかけです。アホと思われるでしょうけど。でもお客さんが水着に着替えて水中で鑑賞する作品って楽しそうでしょ?僕は水泳部だったし夢は大いに膨らんでいたのですが、安全上の問題などで水は張れないことになってしまった。ええーっ!てなりましたがそのとき何回か下見に行ってすでにプールに愛着が沸いていたので、ここでなにかしようと。
―秋田では高校生クリエイティブキャンプなど若者との活動をされていらっしゃいますが、若者ならではの視点で地方の文化資源やおもしろさを再発見するということは、どのような魅力がありますか?
 昨年の高校生クリエイティブキャンプで大賞をとったチームが長野の高校なんですが、すごいパワーでした。ハッチャケ方がハンパない。「近頃の若者はスマホばかりいじって元気がない」と思い込んでいたのですが、意外といるもんだなと。あるいはチャンスさえあれば開花する子なんていくらでもいるのかも。こういう高校の引率の先生はだいたい生徒以上に楽しんでいるから、そういう「目立つ子をちゃんと目立たせる」こ


とのできる先生と組めたら面白いことができるんじゃないか?中学や高校で「いちばん面白いやつ」っていますよね。彼らを芸術系に引き込めるかどうかは大事。芸術が、魅力的な進路のひとつとして彼らの目に映ることで状況は相当面白くなると思います。


和田 唯奈 1989年岐阜県生まれ 東京都拠点 展示会場:豊田市駅下、シティプラザ

お絵描きのお家

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 「しんかぞく」とは「進化属」であり「新 家族」であり「真 家族」でもあり、様々な意味を持つ、新しい形態の家族の形として動き出したアートコレクティブ。元々は和田さんが開いていたお絵かきのお家という私塾で開催した「しんかぞく」展から始まった。「家族」をテーマにした「しんかぞく」展はアーティスト自身が作品を身につけ、展示しながら移動するという移動展示場や、「絵が家になる」「絵と家族になる」「絵で家族になる」など通常の絵画を壁にかけるという展示とは一味もふた味も違っていた。
 今回は「しんかぞく」だけでなく、友人のアーティストやエンジニア、BGMクリエーターなども参加し、「まるで遠方に住む親族も集まったみたいなチームができた」と和田さんは明るく笑う。「今回の展示は、大きなテーマが「子守り」なんですよ。お客さんが『レンタル赤ちゃん』っていうアトラクションをやるんです。お客さんがしんかぞくが産んだ赤ちゃんを子守するんです。30分くらいのコースで、印刷された絵を「赤ちゃん」として子守していくんです。すごく大きく言うと、子守をみんなでシェアすればいいんじゃないかっていう発想で。でもやっぱ長屋を作るっていうのとかだと今からだと難しいから、一個の発想としてお店みたいに、新しいアトラクションみたいに演出してお客さんにやってもらう、体感してもらうっていう気軽な子守りです。気軽に子育てを手伝う、みたいな発想からきてます!」
和田さんの「しんかぞく」展のステイトメントにあるような「拡張をめざし、情緒をいだく、共同体、家族という絵画」はこの豊田の地でどのような「赤ちゃん」を生み出すのだろう。 

しんかぞくの皆さんの自己紹介
●しんかぞくの先生
・和田唯奈(キュレーター・アーティスト)
画家です。アムステルダムのGalleryDelaiveに所属しています。2年半前、ちいさな絵画教室「お絵描きのお家」をひらきました。1年前、そこに集った生徒と「しんかぞく」というコレクティブをつくりました。生徒はみんなかわいいです。わーい

●しんかぞくの生徒

・青山果歩(アーティスト)
茨城県うまれ。東京の氷屋さんではたらきながら、もっと寒いところへ行くべく奮闘中。「カップはよくて、なぜ絵はだめなのか?」お気に入りの日用品を愛でる気持ちと、絵を見てよい!と思う気持ちの間にはなにがあるのか、探るために制作している。病めるときもすこやかなるときも、ごはんが好き。

・大山奈津子(アーティスト)
絵は独学でしたが、学びたくなったのでお絵描きのお家に参加するようになりました。自然の摂理や、物事の本質、神秘現象について考える事が好きです。そのような事を絵で具現化できるようになりますように。ウロウロしがちですが、好きなように生きていきたいです。

・半坂 優衣(アーティスト)
東北芸術工科大学洋画コース所属の2年生。
主に自分や周囲の人間の気持ち、思考などを、丸みを帯びた生物で表現する作品を制作。現在はとある音楽グループにお熱でしんかぞくの活動や大学との両立のために日々奔走している。

・星ヲ輪ユメカ(アーティスト)
1996年12月12日生まれ。「私を縛るモノすべてをブチ壊す絵を描いていく」をモットーに活動中。自身の経験から子どもやアダルトチルドレンを題材にすることが多い。また、孤独を感じる人の居場所になれるような作品作りを目指している。スタンドが使える。12月に東京都で個展予定。

・繭見(アーティスト)
自死に纏わることを描いたり作ったりしています。和田さんの「お絵かきのお家」とあわせて今年度から新芸術校で勉強しています。最近はモーモールルギャバンと茹でたキャベツにはまっています。ペットの猫(うなぎ丸)と鳥(真田丸、小柚丸)が可愛くて仕方ない。

・宮田奈々(アーティスト)
1998年3月6日生まれ(ミケランジェロさんと同じ誕生日)。幼少期から絵を描き続け高校進学とともに本格的に絵画を描き始める。卒業後は独学で制作をしつつ2017年から活動をし始めた。今は日本を出てアメリカでは作品を発表するのが目標なので英語を勉強中。

・よしだ智恵(アーティスト)
幼少期の頃から絵を描き続け、美術系の高校・大学を卒業し、さらにはカナダに1年留学を経験した。以前は銀箔・硫黄・墨という日本が伝統技法を使い、黒い花を描くという渋い作風だったが、しんかぞくに出会ってから様々な素材を使った作品を展開し、新たな表現を模索している。

・藤本友紀(お手伝い)
「今年2019年3月頃、新家族に出会う。あいちトリエンナーレ展示では新家族のお手伝いとして参加。現在美大予備校にて修業中。」アートとは程遠い妥協した人生ーーー自ら手繰り寄せ、生き様自体をアートに近づける事が今年の目標です。今回、『新家族』のお手伝いができて本当に光栄でした!

●しんかぞくの叔母さん

・BeBe(アーティスト)
しんかぞくのおばさんとして参加しています。子守りの可能性を拡げようとする今作に参加したのは、私自身が今、親の介護に関わりつつある、命のエネルギーが向かう方向は違うけれど、子守りと介護には共通する部分が有ると感じているからです。「人の成り立ち」に興味があって作品の制作を続けています。

●しんかぞくの叔父さん

・石井翔(エンジニア)
VR・ARエンジニア。情報処理推進機構より未踏スーパークリエイターに認定されている凄腕技術者。こまんべの大学の後輩。

・こまんべ(エンジニア)
芸術動画のエンジニア。普段は美術集団カオス*ラウンジのアトリエに住んでいて、たまに展示にも参加している。和田さんとは同い年。

・TM(エンジニア)
「共同体とは今何なのか」、実験的な創作を行なっている和田さんとしんかぞくを応援するエンジニアおじさんです。8ミリのホームムービーで実家の家族を結びつけてくれたエルモ社(名古屋、元職場でもあります)も協力してくれました。生まれ育った愛知で芸術に関わることができて嬉しいです。

・ワンフレーズ・ポリティクス(楽曲制作)
シゲル・マツモトと弓塲勇作によるグループ


アンナ・ヴィット Anna WITT 1981年ヴァッサーブルク(ドイツ)生まれ
ウィーン(オーストリア)拠点 展示会場:豊田市民ギャラリー

 アンナ・ヴィットさんはオーストリア拠点の現代作家。今回、あいちトリエンナーレの豊田会場では、過去の作品に加えて、今回のために制作した新作を豊田市民ギャラリーに展示する。

制作は豊田市に住む自動車関連会社で勤務する市民とのワークショップを元に行われた。豊田市といえば自動車産業。豊田で働く人たちによる要素や意見、表現が取り入れられ、豊田市を象徴する作品となっている。労働とはなにか、豊田市で働くとはどういう事か、改めて考えさせられる。途中、仕事でのルーティンワークを太極拳風に、というアンナさんの振りに戸惑う皆さん。市民との交流を深めつつ、制作現場には和やかな雰囲気が流れていた。
アンナさんは、豊田市民の印象について、参加市民の方々が想像以上にオープンで、クリエイティビティな事に驚いたと話している。

参加者 安藤 卓児さん
 アンナさんの制作を貫いていたのは彼女の基本姿勢である人間への信頼に基づいた、労働への賛美とそれに伴う身体性への社会彫刻家としての透徹した視線だった。映像作品制作の過程で彼女のガイドのもと行われた行為を参加者自身が主体的に推し進めて行く中で、解放された参加者が自然と芸術家として自らを再定義し、パフォーマンスや演奏を行いだした姿は生きた芸術が機能する稀有な瞬間であり光に満ちていた。

参加者 古澤 直也さん
 私が、今回のプロジェクトに参加したきっかけは、社内の知人からの紹介です。
世界的に活躍するアーティストと一緒に作品創作するプロセスに関われたり、作品として自分の姿が残る貴重な経験ができると思い参加しました。
作品創作では、アーティストだけではなくメンバーから「こうしたら面白くなるのではないか」とか「この動きは繊細で綺麗だよね」などの意見が沢山出て、みんなで一つの作品を作りあげている実感が湧きました。
ディスカッションでは、「労働とは何か」「未来の労働はどうなるか」を話し合い、メンバーそれぞれの意見や考えを共有できて労働に対する価値観が変わりました。
作品がどのように仕上がるのかとても楽しみです。

 

トモトシ 1983年山口県生まれ 東京都拠点 展示会場:豊田市駅

今回、あいちトリエンナーレのトモトシさんの作品はとよトリ隊に届いたメールから始まる。
豊田市のみなさま、はじめまして。
今年の8月からスタートする「あいちトリエンナーレ2019」出展作家のトモトシです。
ぼくは豊田市駅のすぐ下の会場で作品を発表します。
突然ですが、先日、作品を作るため会場の土を掘り起こしていたところ、とても古びた食器らしきものの断片を発見しました。「ここに何か埋まっているかもしれない。」ぼくは直感でそう強く感じました。しかし、豊田市によると、これは遺跡ではないとのことでした。そこで、まだ諦めきれないぼくのこの身勝手な思い込みを晴らす手助けをしてくれる豊田市民の方を募集いたします。当日、万が一のために、考古学の専門家の方をお呼びして土掘りの仕方をレクチャーしてもらいながらすすめます。
なお、土掘りのプロセスは映像記録として撮影し、あいちトリエンナーレでその様子を展示させていただく予定です。以下の趣旨をご理解いただける方、心よりお待ちしております。」
 トモトシさんはその場と人々を観察するアーティストだ。その場にいる人々を通してその場のもつ公共性の不思議なひずみを映像にする。今回、展示会場にて事前に発掘ワークショップを行い、それを映像化することによって豊田ならではの「ひずみ」がどのように浮かび上がってくるのか。いつも見るものがクスッと笑ってしまうような、トモトシさんならではのシニカルな作品から目が離せない!

【インタビュー・アート】インタビュー/10周年記念農村舞台アートプロジェクト2019総合ディレクター 加藤 悟氏 2019.8特集

10 周年を迎える農村舞台アートプロジェクト 2019。様々なドラマがあった 10 年のその節目の年に何を見るのか、加藤 悟 総合ディレクターに伺います。

  

愛知トリエンナーレ2019連携企画事業 10周年記念農村舞台アートプロジェクト2019
アートで蘇えるとよたの農村舞台群

「映像から見た豊田の定点観測30年」に招かれた映画監督の大林宜彦は、「私は平成の大合併は失敗だったと批判してきたが、豊田市に来てその考えが変った。確かに旧町村はトヨタという経済的に豊かな文明社会に編入されたが、旧市民は豊かな自然と文化に編入された幸せな合併だった」と語った。

こうした農山村の豊かな文化・習俗を象徴するのが、豊田市北部から東部の中山間地一帯に展開する国内有数の農村舞台群です。

ちなみに農村舞台というのは、江戸時代後期から昭和20年代前半にかけて、農山村の娯楽の殿堂として神社の境内などに建てられた芸能舞台の総称で、北は秋田から南は鹿児島まで日本各地に分布。中でも豊田市東北部から奥三河岐阜県の飛騨・東濃地域、長野県の南信地域にかけて約3分の1の舞台が集中し、神社拝殿型という農村舞台文化圏を形成していることが判明しています。

現時点では目視調査のレベルですが、中馬街道や秋葉街道、岩村道など、三河伊那谷や飛騨・東濃地域を結ぶ物流の道が文化を運んだ証で、宿駅として栄えた三州足助の町並みに往時の賑いを偲ぶことができます。

農村舞台アートプロジェクトは、こうした農村舞台群を地域の文化資源として活用。アートで地域の絆を繋ぐとともに、新たな市民文化を発信するアートイベントとして2010年にスタート。農村舞台の空間に清新なアーティストが個展形式で挑む『アート』。人形浄瑠璃からバレエ、オペラや舞踏など多様な舞台芸術で挑む『ライブ』の両輪で構成するプロジェクトは、文化庁も下見に来豊するなど地域に根差したアートイベントのロールモデルとして注目を集め、現在に至っています。

10周年という記念の節目を迎える本年度は、『アート』と『ライブ』の両輪で構成する基本方針は変わらないが、名古屋市豊田市の2都市で開催される国内最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に連携企画事業として参画するため、例年の秋開催から夏開催に変更。

会場もトリエンナーレで来豊する鑑賞者の立場に立って、「分かりやすいルート」「中心市街地から往復3時間程度の距離」を条件に、和紙の里小原地区に通じる国道419号線に沿って点在する7カ所の農村舞台を選定。豊田市の豊かな自然と文化習俗が息づく中山間地に誘うと同時に、アートで蘇えるとよたの農村舞台群を全国に発信します。

 

Q1 農村舞台アートプロジェクトをはじめたキッカケについて
農村舞台アートプロジェクトは、市内の中山間地一帯に現存する国内有数の農村舞台群を地域の文化資源として活用。アートで地域の絆を繋ぐとともに、新たな市民文化を発信するアートイベントとして2010年にスタート。農村舞台の空間に清新なアーティストが個展形式で挑む『アート』。人形浄瑠璃からバレエ、オペラや舞踏など多様な舞台芸術で挑む『ライブ』の両輪で構成するプロジェクトは、文化庁も下見に来豊するなど地域に根差したアートイベントのロールモデルとして注目を集め、現在に至っています。

Q2 10周年記念農村舞台アートプロジェクトの特徴について
10周年という記念の節目を迎える本年度は、『アート』と『ライブ』の両輪で構成する基本方針は変わらないが、名古屋市豊田市の2都市で開催される国内最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に連携企画事業として参画するため、例年の秋開催から夏開催に変更。
会場もトリエンナーレで来豊する鑑賞者の立場に立って、「分かりやすいルート」「中心市街地から往復3時間程度の距離」を条件に、和紙の里小原地区に通じる国道419号線に沿って点在する7カ所の農村舞台を選定。豊田市の豊かな自然と文化習俗が息づく中山間地に誘うと同時に、アートで蘇えるとよたの農村舞台群を全国に発信します。

Q3 農村舞台アートプロジェクトの『アート』と『ライブ』の選考について
『アート』は、今に生きる農村舞台の可能性を引き出すため、農村舞台の空間に多様なジャンルのアーティストが個展形式で挑むもので、挑戦したアーティストは延55組を数え現在に至っています。選考方法は清新なアーティストの登竜門とするため全国公募による選考方式を採用。10周年という記念の節目を迎える本年度は、あいちトリエンナーレ2019連携事業に相応しい刺激的な内容とするため、従来の3組の公募に加えて、著名なアーティスト2組をゲストとして招聘。計5組のアーティストを予定しています。
『ライブ』は、農山村の娯楽の殿堂として親しまれてきた芸能する喜びを、伝統芸能から同時代性の身体表現まで多様な舞台芸術で表現するもので、本年度は「和洋音楽のガラコンサート」と「農村歌舞伎と和太鼓集団の共演」の2公演を予定しています。

Q4 農村舞台アートプロジェクトを継続していくために大切にしていること
大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭の総合ディレクターで、地域と協働する新たなアートの世界を開いた北川フラム氏が「農村舞台に特化したアートイベントは豊田市だけ」と注目するように、農村舞台の最大の魅力は現代美術や舞踏など異質なジャンルと遭遇するとき、今まで見えなかった構造の仕組みが見えてきます。
私たちはこれを農村舞台の化学反応と呼んでいますが、伝統のもつ確かな存在感にただ驚くばかりです。都市の文化と農山村の文化の衝突から何が生まれるのか、農村舞台アートプロジェクトは永遠のチャレンジャーであり続けたいと願っています。

農村舞台アートプロジェクト2019 アート展示 | 展示 | 公益財団法人文化振興財団 文化部文化事業課

 

農村舞台アートプロジェクト 総合ディレクター 加藤 悟
1944年豊田市に生れる。70年代後半より東京を中心に全国各地で展開した現代いけばな運動の担い手の1人として参画。国内外の個展や越後妻有アートトリエンナーレなどアートイベント多数。 (元公益財団法人豊田市文化振興財団文化部長)

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【インタビュー・アート】インタビュー/あいちトリエンナーレ2019芸術監督 津田大介氏 2019.8特集

いよいよ始まった「あいちトリエンナーレ 2019」今年は初めて豊田市が会場となりました。
その魅力と見所について津田大介芸術監督に伺います。

[インタビュー完全版]TAP MAGAZINEに掲載できなかった部分も含めたインタビュー完全版となります

 

1.なぜ豊田があいちトリエンナーレ2019の会場になったのですか?
―2010年の初回は名古屋会場だけだったあいちトリエンナーレですが、2回目以降は岡崎や豊橋などの三河地域でも展開しています。できるだけ幅広い地域でトリエンナーレを展開したいという愛知県の方針もあり、名古屋市外の会場として、今回は豊田市が選ばれました。

豊田市が選ばれた理由として
豊田市美術館という、日本でも有数の現代美術館がある
② 名古屋・豊田間は公共交通機関が整備されており、移動の利便性がある
③ 市として開催に意欲的で、作品作りや会場選びで協力や支援が期待できる
ラグビーワールドカップ豊田市美術館でのクリムト展などがトリエンナーレと同時期に開催され、相乗効果が見込める
といったことが挙げられます。

 

2.豊田では会期中どんな展開が期待されますか?
高嶺格さんが旧豊田東高校の25メートルプールの床を剥がして立て、石碑に見立てる作品(インタビュー時点でタイトル未定)を制作しています。間違いなく豊田会場を象徴するスペクタクルな作品となることでしょう。

豊田市美術館でも粒ぞろいの作品が揃い、館内で最も大きな展示室1では、子どもから大人まで幅広く楽しめる間口の広い作品が展示される予定です。

個人的に楽しみにしているのは、まちなか展開です。駅前の展開はかなりバラエティがあり、“インスタ映え”することは必至な小田原のどかさんの彫刻をはじめ、広場を彩る大規模な壁画も制作される予定です。トリエンナーレ終了後もレガシーとして残したいという思いはありますが、現在調整中です。街の風景がアートによって変わり、外から人を呼び込む新たな観光資源となれば、豊田市トリエンナーレを展開した意義も大きくなるので、駅前の作品群はぜひ注目していただきたいです。

大正期の代表的な町屋建築「喜楽亭」を使ったホー・ツーニェンのインスタレーションも要チェックです。アジアの歴史をモチーフにした作品で高い評価を獲得してきたツーニェンは、これまで美術館のホワイトキューブで展示されることが多かったのですが、今回は初めて歴史的建造物のなかでインスタレーションを構築します。これも見どころの一つです。

 

3.豊田においては近年、アートに限らず様々な文化活動が市民によって活発に行われ、トリエンナーレでのとよトリ隊など自分たちで何かをしたい、というモチベーションが盛り上がっています。あいちトリエンナーレ2019が終わった後も、継続して市民のモチベーションを維持していくために必要なのは何だと思いますか?
―「あいちトリエンナーレ2019」芸術監督を引き受けてから、国内外の様々な芸術イベントを見て回りました。主にこの2年間で取材して回った先は、以下の通りです。

北アルプス国際芸術祭、大地の芸術祭の里夏2017、横浜トリエンナーレ2017、Reborn Art Festival、札幌国際芸術祭2017、第57回ヴェネツィアビエンナーレドクメンタ14、ミュンスター彫刻プロジェクト、奥能登国際芸術祭、大地の芸術祭の里秋2017、カオス*ラウンジ新芸術祭2017、瀬戸内フラム塾(全3回)、Media Ambition Tokyo 2018、アートフェア東京2018、大地の芸術祭雪花火、Art Basel 香港2018、六本木アートナイト2018、第10回ベルリン・ビエンナーレ大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2018、光州ビエンナーレ2018、釜山ビエンナーレ2018、アートフェア東京2019、第58回ヴェネツィアビエンナーレ

特に、大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2018では、総合プロデューサーの北川フラムさんに2週間同行させてもらい、たくさんのボランティアの活動を目の当たりにすることで、とても大きな学びを得ました。

その学びの一つに、「芸術祭の影の主役はボランティアだ」というものがあります。

アーティストは、テーマに沿って作品を作ります。しかし、アーティストも作品も、その芸術祭が終わったときに、別々の場所へ帰ってしまいます。でも、ボランティアはそうではありません。芸術祭が終わっても、ボランティアはそのまちに暮らし、まちと関わり続けます。もっと言えば、世界中で行われているどの芸術祭も、その地域の歴史や文化と無関係でいることはできません。

アーティストが地域資源を掘り下げて作品を作るとき、その独創的なアイデアと地元の魅力をつなげる重要な役割を果たすのが、地元にお住まいのみなさんだと言えます。トリエンナーレビエンナーレがさまざまな地域を活性化させたように、市民のまちづくり活動が活性化するのは、定期的に文化イベントを行うという枠組みをどう、市民が中心となってつくっていけるかにかかっています。

豊田市にはモチベーションの高いボランティアさんが多くいて、ポテンシャルは非常に高いと思いました。

あとは、その市民のやる気に対して行政がどう応えるかです。前例や四角四面な価値観に囚われず、市民の自由な発想を生かし、裁量を与えるようなボトムアップ型の文化事業を継続的に行うことが中長期的にその地域に資することになるのだと思います。

 

aichitriennale.jp

津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト):

1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学文学学術院教授。メディアとジャーナリズム、著作権、コンテンツビジネス、表現の自由などを専門に執筆活動を行う。

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【「この人」対談】「特別企画 あいちトリエンナーレ2019豊田会場オープニングイベントとよトリ祭橋の下盆踊りinTOYOTA BUDOKAN会場から」2019.8特集

TAPポータルサイトでは、毎月1つテーマを設定して「この人」対談、インタビュー、レポート、コラムなどを集中して掲載していきます。
2019年8月の特集テーマは「あいちトリエンナーレ/とよたのアート」。

 

特集のメインコンテンツは、TAPの先駆事業<TAG>からの継承企画、石黒秀和・清水雅人がとよたの文化芸術に関するキーマンと対談する「この人」です。
様々なお話を伺った模様を動画撮影、基本的にノーカットで公開します。
また、対談内容を要約した文字コンテンツもサイトにて掲載します。

今月の「この人」は特別企画として、8月1日に開幕したあいちトリエンナーレ2019豊田会場オープニングイベント会場より、特定のゲストではなくイベントに来場していた人々に声をかけて出演していただく形を取りました。太田豊田市長はじめ会場に来ていた地元のキーマンに色々なお話が聞けました。

文字コンテンツでは掲載しきれないお話もたくさんしています、どうぞ動画もご覧ください!

特別企画 あいちトリエンナーレ2019豊田会場オープニングイベントとよトリ祭橋の下盆踊りinTOYOTA BUDOKAN会場から 2019.8特集

youtu.be

※動画はYouTubeにて公開されています。無料で視聴いただけます。

 

対談の要約文字コンテンツ(文責:清水雅人)

1時間弱の映像を見る時間を割くのが難しい方のために、「この人」対談の文字起こし(要約版)をお送りします。
今月は特別企画として、8月1日に開幕したあいちトリエンナーレ2019豊田会場オープニングイベント会場より、特定のゲストではなくイベントに来場していた人々に声をかけて出演していただく形を取りました。当初はトリエンナーレ参加の作家等にも出演いただこうと思っていましたが、みなさんまだ作品制作の途中の方も多くレセプションが終わるとすぐ帰られたりしてお話しは聞けず、、、でも、代わりに会場に来ていた地元のキーマンに色々なお話が聞けました。
まずは、突然お声掛けしたにも関わらず気軽に出演いただいた太田豊田市長から。

 

ゲスト1人目 豊田市長太田稔彦さん
清水「今日は会場に来ている人をつかまえてお話を聞くスタイルでやろうと思っているんですが、一番最初に捕まえた人がこの人でした、太田豊田市長です。一応真面目なこと聴いておきましょう、あいちトリエンナーレの豊田開催の意義、期待するものはなんでしょうか?」
太田「私たちの暮らしというのは、どうしても便利、快適を求めるでしょう?確かに便利で快適な暮らしというのはとてもいいことなんだけど、一方で自分の感性といったものをどんどん退化させているようにも感じるんです。その意味で、とりわけ豊田会場の市民参加型のトリエンナーレは、最初からスケジュールが決められているわけでも、ストーリーが決められているわけでもない、自分たちで作り上げていくプロセスが極めて不便で不快的で、でもそれを乗り越えたところにある本当の満足感が関わった市民に多分あるだろうと、それを期待します。今回トリエンナーレを豊田でもやることになった一番の意義、効果はそこだと思っています。」
石黒「不便という意味では、ここは電気もないガスも水道もない場所で始めてここまでのイベントが開かれてますから」
太田「ものすごく暑くてね(笑)」
清水「さらに、これが行政がからんでいるっていのが外から来た人は驚きのようで」
太田「でも、これは行政のかかわりはものすごく少ないでしょう?ほとんど市民のみなさんが作り上げている」
石黒「ただ我々市民側も自由にやる分責任もちゃんと負わないといけないとは思っていますけど」
太田「でもその責任論から入ってしまうと前に進めないので、信頼ですね、信頼の中で緩やかにスタートをきっていって進んでいければいいと」
石黒「確かに、トリエンナーレは今年ですけど、とよたアートプロジェクトは2017年から始めて、ここ旧豊田東高校使うのも2年前から始めていて、信頼関係が今年に向けて作られていると思います」
太田「そういう意味で言えば、2年と言わずもっと前から、お二人はじめ色んな人たちとの信頼関係が作られてきていた結果だと思いますよ、だから大丈夫なんです」

 

スト2人目 こいけやクリエイト、とよたプロモ部、とよたアートプロジェクト推進協議会委員 西村新さん 
清水「いかがですか、今日は」
西村「今日は、、、暑いですね(笑)滅茶苦茶暑いですね~」
石黒「外は夜になって少しは涼しいけど、武道館の中はまだ暑いですよ、そこでこれから踊ろうっていうんだから。でも、今年はおいでんおつりの総踊りが中止になっちゃったから、ここに踊りに来た!って人もいましたよ」
清水「豊田の人はおいでんがあって本格的な夏になる感じなので、それがないまま8月になっちゃったうっぷんがあるかもですね。西村さん何か告知あれば」
西村「8月17日に愛環新豊田駅前の新とよパークで、水鉄砲大会をやります」
石黒「相変わらず面白いこと仕掛けますね」
西村「あと、また今年度も3月にWE LOVE とよたフェスタやります」
清水「WE LOVE とよたフェスタはラグビーワールドカップに合わせて早めてやることはないんですか?」
西村「それは例年通りですが、ワールドカップに合わせてウェルカムとよたフェスタってのをとよたプロモ部でやりますよ。9月23日の豊田スタジアム第1戦の日と、10月12日第4戦の日に」
清水「ワールドカップ関連、色々規制が厳しいらしいですが」
西村「そうなんですよ~、ここでは言えないくらい厳しいんですよ、もうやってて心が折れそうになるくらいなんですが(笑)、奮い立たせて頑張ってます、そういう中でこそ市民力でレガシーを残していきたいですね」

https://www.facebook.com/toyotapromobu/
 

ゲスト3人目 矢作新報社長・編集長、矢作川水族館館長 新見克也さん
清水「今年の矢作川感謝祭にStar☆T出演させていただきます」
新見「そうそう、よろしくお願いします、私が扮するカッパとStar☆Tの対談もあるという(笑)。今年の矢作川感謝祭は、橋の下盆踊りと融合してやるんですよ、今年は橋の下世界音楽祭もトヨタロックフェスティバルもないということで、ぜひ盆踊りと一緒にやりたいと思って」
清水「よろしくお願いします」
新見「今日は取材2割、楽しみ8割で来てますが、、、私は芸術のかけらもない人間なので、トリエンナーレについても何を言っていいのかわからないんですが、、、こうやって中に入って楽しんでいればわかってくるのかなぁと思って楽しんでました(笑)。愛樹くんたちがやっている橋の下世界音楽祭がアートと言われるんだったら、それならわかるかなと」
石黒「本当に、そんなもんだと思います」
清水「またトリエンナーレの終盤、10月にもここでハイブリッドブンカサイというイベントがありますので」
新見「私、市民の手作りって本当に好きなんですよ。おいでんまつりの話をしていいですか?ずっとおいでんまつりの取材をしてきてますけど、おいでんまつりを市民のおまつりにして欲しいと思ってますが、まだまだどうしても行政主導のおまつりになってしまっているじゃないですか。去年前夜祭ってのがあって、チャンスだと思ったんですが今年はなくなって、さらに2年連続で台風で中止になってしまって、予備日というのも考えなくてはいけないと思うし、やれなかったことをどこかでやるという案も出てたりして、それがおいでんまつりが市民のおまつりになっていくきっかけになればいいなぁと思ってるんです」
石黒「おいでんまつりも本体から変えて行くのが難しいなら、市民で新しいおまつりを立ち上げて行かないといけないのかもしれませんね」
新見「昨年の前夜祭がまさに市民の側から提案してできた経緯があるので、それが続いていけば本物になるんでしょうね」

www.yahagishinpo.com

https://www.facebook.com/矢作川水族館-1736550703253353/

 

ゲスト4人目 豊田商工会議所、西町散歩 丹羽亮介さん
清水「近年のとよたまちなかのまちづくりはどうですか?」
丹羽「豊田市駅東側の再開発が終わって、きれいにはなったんですが、きれいになっただけで、ドキドキワクワクするようなまちになってるのかと。魅力的なまちって、裏通りがあって、ちょっと覗いてみると怪しい雰囲気もあったりして、そういうのを全部壊してきれいになっちゃっただけじゃないかと。

今西町散歩というのを始めていて、私がもともと西町に住んでて、下町なのでお互いの顔が見えてるので、多少粗相しても許してもらえるかなと思って(笑)、いろいろ自由にやってるんですが、近年まちなかで土日のイベントが本当に多くなってて、それはそれでいいことなんですが、でもその波及効果はあるのか?と地元の人たちに言われると、検証のしようもないのでなんとも答えようがないんですね。これまでだとそういうことは行政に、という話しになってしまうんですが、自分たちでも動こうと、小野デザインの小野さんなどと一緒に西町散歩というのを始めています。

各お店は分散してるので点と点になんですが、そこを回遊してもらうことで地元にもお金が落ちる、そういう仕組みができないかと。土地なんかも公共的な場所だけじゃなくて、例えば民地でも駐車場3台分あるけど実際は1台分しか使ってない土地を善意だけじゃなくてちゃんと借り賃を払ってそこでお店をやってもらうとか、そういう取り組みをやってます。

取り組みも1年になりますが、最近そういう小さなことをコツコツと続けていくことが大切だなぁと実感しています。続けていると周りも徐々に乗ってきてくれるし、そうすると自然と広まっていきますし」
石黒「持続可能っていう視点、特にイベントでは続けていくことの大切さはありますね」
丹羽「やっぱり、いろんなところでイベントがあっても、逆にイベント疲れってのも出ちゃってるなぁと」
石黒「まさに、今年トリエンナーレラグビーワールドカップがありますけど、それらが終わった後にも持続していくためには、そういう地道な継続しかないのかなと思います、そこで本当のまちの力、市民力が問われるんだと思います」
清水「今回のトリエンナーレのまちなか会場は駅西側に多いんですが、駅東より駅西の方がちょっと雑多なまちの感じがあって、その中に忽然と現代アートがあるのは面白いなと思います、駅東のKiTARAやコモスクエアの中にあるよりも」
丹羽「停車場線って歩道がとっても広くてきれいでしょ、あそこで何か始めようと思えるか、、、。例えばあの歩道に小屋みたいなものを建ててそこで何か売ってもいいとなればやる人もいるかなと」
清水「やっぱり面白いことって隠れながらやると言うか、ぱあーっと開けた場所だと真面目なことしなくちゃいけないかなってなりますもんね」
丹羽「ちょっと話がそれるんですけど、これは仕事の方なんですが駅下の喫煙所を管理してて、トイレの近くの古い喫煙所のクーラーが壊れてしまってすごい苦情が来るんです、で、交番の前に新しいきれいなガラス張りの喫煙所ができてるんで、そちらに行かれたらどうですかって言うと、あっちはタバコ吸う雰囲気じゃないんだと(笑)、やっぱりちょっと隠れた感じのちょっと汚い場所の方がタバコ吸った感じがすると(笑)、そう言われて、ある意味正論なのかなと」
石黒「やはり空間というのは大事ですね」
丹羽「最近は行政の間口の拡がったというか」
石黒「それは感じますか」
丹羽「感じますね、行政もいろんな空間をどんどん使っていこうという姿勢に変わってきたと思います」
石黒「10年15年前には絶ダメと言われてた空間が使えるようになってきてますからね」

https://www.facebook.com/nishimachi.sanpo/

 

よたデカスプロジェクト2019受賞者 SHIMAYAGI ARTさん、MOBIUMさん
SHIMAYAGI ART「豊田市美術館又日亭、豊田市民芸館井上西洋、豊田市民芸の森旧海老名三平亭の3ヶ所で豊田出身の美術作家を紹介するアートデイズとよた2019を10月に開催します。この企画でとよたデカスプロジェクトの大賞をいただきました」
石黒「トリエンナーレには負けないぞと」
SHIMAYAGI ART「トリエンナーレに負けてないと思ってくれる人が1人でもいてくれればうれしいですね(笑)」
清水「準備が大変な時ですね」
SHIMAYAGI ART「有償ボランティアさんを募集するためのチラシと作っているところですね」※募集詳細はサイトをご覧ください
MOBIUM「バスを改装したモビウムという移動型ミュージアムをやっているんですが、今回のプロジェクトは小原地区を、参加者と一緒にバスに乗って、そこにある資源を使った作品を作っているというプロジェクトをやろうと。小原は和紙が有名なので、小原和紙を中心に据えて。最終的には9月にここ旧東高校のグランドで展示をする予定です。前から小原地区にはよく行ってて、今年も4月以降何回か小原地区でワークショップを開催しています」
清水「トリエンナーレについては何か思うところありますか?」
SHIMAYAGI ART「私は豊田生まれ豊田育ちで、豊田で美術を学んできたんですが、何か発表するってなるとどうしても名古屋とか東京の方がいい場所があるってなるんです、でもやっぱり豊田で文化的なものが育っていったらいいなと。トリエンナーレは市外から作家さんも招いて、お客さんも市外から来てもらって、外からみた豊田を表現するってことだと思うんですが、私たちは豊田出身、豊田ゆかりの作家さんにこだわってて、その人の育った環境が作るものに影響を与えると思っているので、トリエンナーレとは逆に内側からみた豊田を表現したいと思ってます。なので、トリエンナーレで外から豊田を見た人が、今度は内から見た豊田も体感してもらえたらと思ってます」
清水「とよたアートプログラムのコンセプトそのものを言ってもらいました(笑)」
石黒「いい締めになりました(笑)」
decasu.jp

 

最後に トリエンナーレ豊田会場について
清水「今日(8/1)に駆け足でぐるっと豊田会場見て回ったんですが、美術館はすごい人でしたね、クリムト展の方ですが」
石黒「そこからトリエンナーレの展示や、ここ旧東高校会場、まちなか展示に方にも回ってもらうといいですね」
清水「いろんな作家さんが全国、海外からも来てますが、全体の印象としてまず思ったのは、戦争をテーマにしている作品が多いなと」
石黒「私は名古屋会場の作品を見てきましたが、そちらもそういう、反戦というと言葉が軽くなってしまいますが、そういう作品が多いなと思いました。やっぱりこの今の時代の不穏さを表しているのかなと」
清水「特に日本において、8月は戦争の記憶と結びついた月でもありますし、例えば喜楽亭での展示は映像なのであの日本家屋の雨戸などを締め切って暗闇にしているんですが、まさに75年前空襲警報におびえて暗闇の中にいた私たちの二世代三世代前の人たちの記憶が、私たちは実際に体験してないけど蘇ってくるというか。そういういろんなことを想起させる、そういうイマジネートさせる力がアートにはあるなあと。特に美術館の展示室ではなく空間ごとアートをする現代美術にはよりそういうものがあるなあと」
石黒「今回のトリエンナーレのテーマが“情”なんですが、そういう不穏さ、マイナスの情っていうのが今世界中にあふれていると思うんです、でもそういうものを克服していくのも“情”だと、そういう意味でも今回のテーマになっていると思うんですが、まさに今の時代を捉えた芸術祭になっているのかなと、津田監督のそういう想いも感じられますね」
清水「あいちトリエンナーレ、名古屋会場と豊田会場でやってまして、豊田は豊田市美術館とここ旧東高校、豊田市駅周辺での数か所で10月14日までやってますので、どうぞご来場ください。終盤10月には、ここ旧東高校で、トリエンナーレではありませんが、市民参加のアートイベントハイブリッドブンカサイⅡも開催されますので、こちらもぜひお越しください。ありがとうございました」
石黒「ありがとうございました」

ホストプロフィール:
石黒秀和(いしぐろひでかず)
脚本家・演出家。豊田市出身。高校卒業後、富良野塾にて倉本聰氏に師事。豊田に帰郷後、豊田市民創作劇場、豊田市民野外劇等の作・演出、とよた演劇アカデミー発起人(現アドバイザー)ほか、多数の事業・演劇作演出を手掛ける。TOCToyota Original Company)代表、とよた演劇協会会長、とよた市民アートプロジェクト推進協議会委員長。

ホーム - とよた演劇協会

清水雅人(しみずまさと)
映像作家・プロデュ―サ―。豊田市出身・在住。豊田市役所職員時代に市役所内に映画クラブを結成し、30歳の頃より映画製作を開始。映画製作団体M.I.F.設立、小坂本町一丁目映画祭主宰。2013年市役所を退職、独立し、映像制作、イベント企画、豊田ご当地アイドルStar☆T(スタート)プロデュースなどを手掛ける。豊田星プロ代表。映画「星めぐりの町」を実現する会会長、とよた市民アートプロジェクト推進協議会委員。

豊田ご当地アイドルStar☆Tオフィシャルサイト

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【編集部より】TAP MAGAZINE/とよたアートプログラムマガジン8月号発刊しました(8/1)

本とよたアートプログラムポータルサイトの姉妹メディア「TAP MAGAZINE/とよたアートプログラムマガジン」の8月号が発刊しました。

8月号の特集は「とよたのアート」、そしていつもの倍8ページです!いよいよあいちトリエンナーレも開幕しましたのでトリエンナーレ特集と合わせて、トリエンナーレ以外の豊田市内のアートイベントも紹介しています。

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CONTENTS

あいちトリエンナーレ 2019(芸術監督津田大介氏インタビュー、豊田会場作家紹介など)

農村舞台アートプロジェクト 2019

足助百物語

とよた大衆文化センター[TPAC]紹介

ほか掲載しています。(上記はポータルサイトにも掲載)
あいちトリエンナーレ豊田会場総合案内所、豊田市内外文化施設/公共施設、とよたまちなか店舗ほかにて配布中です。
どうぞお手に取ってみてください。
タブロイド判8ページ 無料 月刊

8月号ではボリューム満点のためWEB上特設ページにて内容掲載しています。PDFデータ閲覧もできます。

TAP MAGAZINE/とよたアートプログラムマガジンとは?
トリエンナーレだけじゃない!”豊田で行われている文化芸術関連の公演やイベント、関わる人たちを紹介するフリーペーパーです。
あいちトリエンナーレの開催の合わせ、2019年6~11月期間限定発行します。

 

【音楽】Toyota Citizen Mucic☆FES~豊田市民音楽広場SP~[通称☆フェス](8/10、11)

”豊田のポップスをここから”をモットーに、毎月2回豊田市駅前GAZAビル南広場で開催している音楽ライブ「Toyota Citizen Music Park~豊田市民音楽広場~」 の夏フェス版。豊田ご当地アイドルStar☆Tがホストになり、8/10はアーティストデーとして地元在住・拠点等のアーティスト(アコースティック、バンド等)9組が出演、8/11はアイドルデーとして全国から集まったアイドル17組が出演します!

全国的にも珍しい駅前フェスどうぞご来場ください!観覧無料です!

 

Toyota Citizen Music ☆ FES(通称:☆フェス)~豊田市民音楽広場~ SP supported by アップルワールド
【日時】2019年8月10日(土)11日(日) (両日とも)開演11:00 終演17:30予定
【会場】豊田市駅前GAZAビル南広場 ※少雨決行 荒天中止
【出演】8/10アーティストデー:木蓮堂 松中啓憲 うたれん Emiliowl 山口章浩 KOU TKGと愉快な仲間たち 牧野凪紗 from Star☆T 豊田ご当地アイドルStar☆T 全9組出演
8/11アイドルデー:青SHUN学園 きゅい~ん`ズ ショートカット部 立夏-Ricca- 名古屋CLEAR‘S Re☆Sta ナト☆カン 究極人形 イノセントリリー 金星☆ジュリエッタ アモレカリーナ&LUCIANNA GCE×NAGOYA ふぇありーているず! はにーきゃんぱす gurumaid=tiara/ぐるティア 安城商店街アイドル「看板娘。」 豊田ご当地アイドルStar☆T 全17組出演
【入場料】観覧無料
【協賛】車のことならアップルワールド
【協力】GAZA / エフエムとよたラジオラブィート / WE LOVE とよた
【主催】豊田市民音楽祭実行委員会 豊田星プロ
【内容】毎月2回同会場で開催中Toyota Citizen Music Park~豊田市民音楽広場~の拡大夏フェス版 通称:☆(ホシ)フェス!
豊田ゆかりのアーティスト&全国のアイドルが結集!昨年のべ1,000人以上が来場した☆フェスをアーティストデー&アイドルデーの2日間にパワーアップして開催!
※屋外イベント(少雨決行、荒天中止) 観覧無料のフリーイベントとなります

Toyota Citizen Music Park~豊田市民音楽広場~

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